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昨夜、母に嘘をついた

2020

日本に来てから、周りは母国の人たちばかりだったが、誰とも共感がなかった。常にここは日本でもない、母国でもないと感じた。ある日の深夜に出ると、昼賑やかな街なのに誰もいない、自分の自転車の車輪の音だけがチリンチリンと響く。それは、私が最後に家族に会ったことを思い出した。喧嘩をして家を飛び出したとき、どこからの野良犬を伴って、誰もいない街に歩くと、その瞬間に私の居場所はここだと気づいた。

この本は、深夜の東京の街を徘徊して撮った写真と家出物語を収録したzine。

© 2025 by rajiogoogoo

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